2008年2月 写真1-1 |
東宝ビルトは世田谷総合運動場から近い場所にあり、初期ウルトラシリーズの頃は東京美術センター東宝美術センターと呼ばれていました。写真1-1はその正門です。
文献[1]によれば, ウルトラマンの科特隊のステージや、ウルトラセブンのウルトラ警備隊のステージがここにあったそうです。
しかし、東宝ビルトは近く取り壊されてしまうそうです。
追記(2011年1月1日): 東宝ビルト跡地の様子を紹介します。
2008年4月 写真1-2 |
2008年8月 写真1-3 |
2008年4月にはまだ建物はありましたが(写真1-2)、同年8月にはすっかり建物はなくなっていました(写真1-3)。工事車両が入りやすいようにでしょうか、門の前の花壇もなくなっています。
2009年6月 写真1-4 |
2009年6月に訪れたときには、工事車両も入れないようになっていました(写真1-4)。
2010年6月 写真1-5 |
2010年12月 写真1-6 |
2010年6月には集合住宅のために整地されていました(写真1-5)。「建築計画のお知らせ」という標識によると、2010年7月1日から2011年3月末まで工事をするようです。2010年12月にはその建築が進んでいました(写真1-6)。
以下、敷地内のある建物と、オープンセット用地を紹介します。
2008年2月 写真2 |
2008年2月 写真3 |
文献[1]によると、ウルトラセブン「円盤が来た」のフクシン君のアパート(以下、アパート)の外観と自動車修理屋(金子自動車)のオヤジの家は、当時の東宝ビルトの建物だそうです。
そのアパートは写真2の建物(製作部と営業部の建物)で間違いなさそうです。以下に示すように、建物の特徴がビデオ映像とよく一致します。
写真3は、写真2の右奥の様子です。セブン「円盤が来た」2分1秒や24分8秒など、フクシン君が物干し台で天体観測をしていたのがこの場所です。屋根の形や窓の位置がよく一致します。
写真3手前に物置がありますが、フクシン君がいた物干し台はその上にあったことになります。ただし物置は当時のものと違います。
2008年2月 写真4 |
2008年2月 写真5 |
写真4は、写真3の窓からの眺めです。写真4手前の波形の青い屋根は、写真3手前の物置のものです。フクシン君が金子自動車の工場を物干し台から見下ろしたのを真似て撮ってみました。
そして、その窓を部屋の中から見たのが写真5です。セブン「円盤が来た」2分43秒にはフクシン君が、そして同12分28秒には金子自動車のオヤジが、それぞれ窓をまたいで物干し台へ出ます。2008年2月現在、その窓にはメイク用の鏡が並んでいました。
2008年2月 写真6 |
2008年2月 写真7 |
写真6の場所は、写真2の場所とは建物をはさんで反対側になります。セブン「円盤が来た」23分33秒、フクシン君を乗せたポインターが停まったのがここです。
写真7は2階へ続く階段です。ここは写真6左側にも写っています。セブン「円盤が来た」23分43秒、ダンが「いずれ、ウルトラ勲章は君のものさ」とフクシン君に告げた場所です。
2008年2月 写真8 |
2008年1月 写真9 |
写真8は、東宝ビルト内のオープンセット用地からの眺めです。草木の向こうには東名高速があります。怪奇大作戦「霧の童話」23分35秒の高速道路は、この辺りからの撮影のようです。参考までに、東宝ビルト近くの大六天橋から見た同方向の眺め(写真9)も掲載します。高速道路の曲がり具合や、鉄塔のある点がビデオ映像と一致します。
帰りマン「必殺!流星キック」10分10秒、アキが空き地でギターを弾いている場面がありますが、そこにも遠くに鉄塔が見えます。東宝ビルトのオープンセット用地での撮影だったのかもしれません。
追記(2011年1月1日): 取り壊し前のオープンセット用地の様子を紹介します。
2008年2月 写真10 |
2008年2月 写真11 |
オープンセット用地には、写真10のような高い台がありました。下から煽るようにように撮影するのに使うそうです。訪問当日は、この台の上に住宅のミニチュアが並んでいました(写真10,写真11)。翌日からの「行け!ゴッドマン」の撮影用のようです。
2008年2月 写真12 |
2008年2月 写真13 |
写真10の台周辺には、使われなくなった何かのコックピット(写真12)やゴミ(写真13)がありました。
文献[2]P28には東宝ビルトの裏手で撮影された特写スナップがあります。それはウルトラQ「甘い蜜の恐怖」のものなのですが、東宝ビルトの近くでロケが行われたのかもしれません。
謝辞:情報をくださった方、東宝ビルト内を撮影する機会を下さった方々に感謝いたします。東宝ビルトが取り壊される前の貴重な機会となりました。