五島プラネタリウム

五島プラネタリウムの内部(南側)
2001年3月

2001年3月11日惜しまれつつも閉館した五島プラネタリウムは、ウルトラセブン「盗まれたウルトラアイ」にでてくるプラネタリウムだと言われているようです。例えば参考文献[1]P25には「マヤがダンと入ったプラネタリウムは、平成ガメラも出現した東口の東急文化会館ドームとしておなじみの五島プラネタリウム。」とあります。(ただしマヤはダンとはプラネタリウムに入っていません。)

しかし、私はあの場面は五島プラネタリウムではないと考えています。その理由は次のとおりです。

ウルトラセブン「盗まれたウルトラアイ」に出てくるプラネタリウムの壁には「南」という表示があります。そして、上の写真は五島プラネタリウムの南側の写真です。(注意: プライバシー保護のため写真の一部をぼかしています。)これらを比較すると少なくとも2つの相違点が見つかります。

まずセブンのその場面では人々は皆上を向いて立っており、そこには椅子が一切写っていません。五島プラネタリウムの最後部座席とその後ろの壁との間には、上の写真から分かるように、あれほどの人が立てるだけの空間はありません。

次に壁についてです。セブンに登場するプラネタリウムの壁は白いのですが、写真の壁はそうではありません。もしかしたら五島プラネタリウムの壁がウルトラセブン放送当時と今とで変わったのかとも思いましたが、そうでもないようです。参考文献[2]のビデオには、五島プラネタリウム開館前に投影機を設置した時の白黒写真がうつります。そこにうつる壁は白くはありません。むしろ上の写真によく似ています。つまり、壁の様子は開館当時から変わってないと考えられます。

これらの相違点の他にもセブンのあの場面が実際のプラネタリウムで撮影されたとは思えない映像があります。それは、あの場面にでてくるプラネタリウムの夜空です。あの夜空はウルトラセブンによく登場する宇宙によく似ていて、本物の投影機による夜空とは思えません。

おそらく五島プラネタリウムは東京に昔からあったプラネタリウムとして有名だったので、五島プラネタリウムがロケ地だとされているのではないでしょうか。

追記(2001/5/5): ウルトラセブン「盗まれたウルトラアイ」5分14秒から5分30秒までの間写る部屋(プラネタリウムの解説をしている部屋)と、ウルトラセブン「勇気ある戦い」15分3秒から15分13秒までの間写る部屋(交通情報を流す部屋)とは、マイク、机の上のライトそして壁がよく似ています。おそらく同じ場所を使ったのでしょう。

追記(2002/9/17): プラネタリウムの客の後ろに見える扉はウルトラ警備隊作戦室の扉と同じもののようです。夜空について上ではプラネタリウムのものではないとしていますが、そこ写る星の配置と運動がデタラメでなければ夜空はプラネタリウムでの撮影といえそうです。
謝辞:この件について掲示板で議論に参加してくださった方々に感謝いたします。