ウルトラセブン「遊星より愛をこめて」にスペル星人のアジトとして登場する建物は、丸い窓が全部で100あることから俗に「百窓」とか「百目」などと呼ばれています。そこでこのページでも「百窓」と呼ぶことにします。
私は文献[3]によって、文献[1]に「百窓」が紹介されていることを知りました。文献[1][2]によれば「百窓」は砧公園の南側にある世田谷区岡本にあったそうです。現在はすでに取り壊されてしまっており、もう「百窓」をみることはできません。しかし、その跡地を特定することができました。
写真1 | 写真2 |
写真1と写真2は文献[1]にある「百窓」の白黒写真とその一部を拡大したものです。ご覧のようにこの写真では、石垣の向こうに建つ「百窓」を見ることができます。
写真3 2000年4月 |
写真4 2000年4月 |
そして写真3と写真4は現在の世田谷区岡本某所のカラー写真です。右の写真は左の写真の石垣の一部を拡大して撮影したものです。
ここで2つの拡大写真を比較すると、それらの石垣の石の形、石垣上部のブロックの穴の数と形状が非常によく一致することが分かります。また、文献[1]には「百窓」を別の方向から見た写真もあるのですが、それと良く似た風景をこの付近で見ることができました。さらに、ウルトラセブン「遊星より愛をこめて」には丸い滑り止めのある坂がでてきますが、そのような坂もこの付近にあります。
これらのことから上の白黒写真とカラー写真は同じ場所の写真であると考えられます。
謝辞
今回の現地でのロケ地探しは私を含め3人で行いました。さらに、その方たちとはこのロケ地に関してその後も有益な意見交換をさせていただきました。そのお2人に感謝致します。
追記(2000/7/9):
初田亨・大川三雄 著「都市建築博覧・昭和篇」住まいの図書館出版局 という本の278ページに百窓の空撮写真があります。また、ある方の情報によれば、九重佑三子のコメットさん(発売元げんごろお・販売元株式会社セブンエイトGE-117)に上記の塀と共に百窓が写っているそうです。
追記(2001/5/20):
昭和42年2月発行の「ジャパンインテリア」第47号に百窓の写真が載っているとの情報を頂きました。情報提供してくださった方に感謝いたします。
追記(2003年9月16日):快獣ブースカ「スピード銃に気をつけろ」では、チャメゴンを探しに出たブースカが暴走するトラックを止める場面や、その直後、スピード銃で撃たれたブースカが走る場面で、百窓が写ります。