島根会館

島根イン青山
2002年6月

写真は六本木通りの渋谷4丁目交差点から島根会館跡地に建っている島根イン青山という宿泊施設をみたものです。写真左奥が六本木方面になります。

島根会館は島根県職員の宿泊施設、県行政のための会議場、また在京・上京県民へのサービス施設として1964年に建てられました。島根会館が島根イン青山へ建て替えられた時期は分かりません。しかし島根会館の竣工時期と現在の建物の見た目から考えて、少なくとも10年位前までは島根会館はあったのではないでしょうか。

その島根会館をここで紹介するのは、それがウルトラQ「ゴーガの像」では岩倉会館として、ウルトラマン「来たのは誰だ」と「遊星から来た兄弟」では科特隊本部として使われたからです。

今回は参考文献[1]P139-P142に掲載されている島根会館の写真と各階の平面図から、上記ウルトラで会館内部のどこが使われたのかを推測してみました。

参考文献[1]P141
写真6「2階宿泊室よりバルコニーを見る」(左)と
写真7「2階応接室」(右)
参考文献[1]P141 写真6「2階宿泊室よりバルコニーを見る」 参考文献[1]P141 写真7「2階応接室」

まずウルトラQ「ゴーガの像」冒頭(4分50秒)でアリーン(実は国際文化財保護委員会の秘密捜査官リャン・ミン)が通された岩倉会館の部屋についてです。これは2階の娯楽室のようです。文献[1]P141写真7(上の写真右)はQの部屋そっくりですが、その写真のキャプションは「2階応接室」となっています。しかしビデオ映像の間取りと一致する2階の部屋は平面図でいう娯楽室です。

次にウルトラマン「来たのは誰だ」でゴトウ隊員が泊まった部屋と「遊星から来た兄弟」でザラブ星人が泊まった部屋についてです。それらの部屋はどちらも2階一番東側(平面図では一番右側)の洋室だと思います。ビデオ映像からどちらも同じ部屋であると思われること、そして「来たのは誰だ」での間取りが2階一番東側のものに一致するからです。

参考文献[1]P141写真6の部屋は(上の写真左)はまさにその部屋のようです。写真6のバルコニー左端の飛び出た部分がおそらくバルコニーの階段で、その階段は平面図では建物の東側にあるからです。写真6と「来たのは誰だ」5分43秒前後を比較すると本当にそっくりです。

もう1つ、「来たのは誰だ」4分13秒から4分53秒(フジ隊員がゴトウ隊員を部屋へ案内する場面)の廊下ですが、これが島根会館だとしたら(多分そうだと思いますが)3階か4階の廊下でしょう。平面図から分かるように、3階と4階は同じ間取りで和室が並んでいたようです。したがってその廊下が3階なのか4階なのかまでは絞りきれません。

このように島根会館は初期ウルトラに3回登場したわけですが、別の映画やテレビにも登場しているかもしれません。例えば、私は直接確認していませんが、刑事ドラマ「大都会」にも登場したようです。柴田恭平が出てきた回らしいので「大都会2」の第15話「炎の土曜日」か第36話「挑戦」だと思います。こうした別の映像から、岩倉会館の駐車場が島根会館のものかどうか等、新しい発見があるかもしれません。

謝辞:情報下さった方々に感謝いたします。

追記(2003年9月15日): 快獣ブースカ「スパイをやっつけろ!」におけるスパイの居るホテル内部は、部屋の内装から、島根会館のようです。